ここちいい生き方がある

社団法人『やどかりの里』(埼玉県さいたま市)

6.上木崎憩いの家・エンジュ弁当

メンバーが共同で使える、コミュニケーションのための場所。 グループホームで生活しているメンバーを中心に、仲間同士で夕食を食べたり、テレビや音楽を楽しんだり、おしゃべりをしてくつろいだり。
孤独になりがちな1人暮らしのオアシスとして利用されています。
職員は常駐せず、8人のメンバーが「運営委員」として清掃当番、カギの開閉、会計当番といった「当番」を分担していますが、当番は「苦になったら交代する」ということを運営委員のなかで決めています。運営委員では、みんな気持ちよく過ごせるよう運営されています。
心ごと包み込んでくれるようなメンバーの“隠れ家”。その良さを残しつつ、もっと多くのメンバーに広く利用してもらいたい、という気持ちもあるとか。

山本隆樹さん

仲間に来てほしい

8年間の入院生活から「やどかりの里」のグループホームに入って5年目の山本さん。 「初めは1人でやっていけるのかなあ、と思いましたが、アパートの隣り、その隣りも『やどかりの里』のメンバー。助け合うことができました。」
現在は作業所の仕事が終わった夕方など、週4日くらい「憩いの家」を利用しています。
「タバコを吸ったり、コーヒーを飲んだりしながら、野球やサッカーの話で盛り上がるので楽しい。巨人ファンが多いですね(笑)。年末にはここで鍋をやりました。」
ここでの豊かな時間を、もっと多くの当事者にも体験してほしいというのが山本さんの願い。
「今、入院中の人も僕が暮しているようなグループホームで暮すといいのに。無理をしすぎて再入院した友人にもまた来て欲しいです。」

富沢三枝さん

女性が増えると嬉しい!

夫婦で「憩いの家」を利用している富沢さん。夫婦げんかの時には「憩いの家」が駆け込み寺になることもあるとか!?
「ここはすごくいい雰囲気。最初はなんとなく職員に常駐してほしい、という意見もあったんだけど、実際やってみたらメンバーだけでも運営できました。これから?(退院者が増えて)もっと女性が増えればね。」

飛内理恵子さん(浦和生活支援センター職員)

メンバー同士が支え合っています

「メンバーがゆっくり過ごせる場所に、と職員のほうからメンバーに提案しました。私は毎夕一度訪ねますが、必要があればメンバーの方から声をかけ、相談してくれます。何かあれば職員をうまく活用してもらい、あとはメンバー自身に任せて、という感じですね。グループホームのメンバー同士の支えあいがさりげなく行われていて、誰か体調が悪いと見舞いに訪ねたり。職員ではできないような関わり方をメンバーはしています。」

エンジュ弁当

通所授産施設「食事サービスセンター エンジュ」、作業所「まごころ」ではメンバーがカロリーや栄養バランスに配慮したお弁当をつくり、地域のお年寄りに届けています。こうした活動も、「やどかりの里」と地域の人々との接点になっています。