さまざまな支援
保護者を対象にしたサポートプログラム
自閉スペクトラム症の子どもをもつ保護者を支援する取り組みとして、次のようなプログラムがあります。発達障害者支援センターや教育センターなどの行政機関、病院やクリニックなどの医療機関のほか、民間の支援団体などでも実施されています。
ペアレント・トレーニング
発達障害のある子どもの保護者を対象に、レクチャーやロールプレイ、ホームワークなどを通じて、子どもとのより良い関わり方や日常の困りごとへの対応方法を学ぶプログラムです。具体的には、それぞれの子どもの特性についての正しい知識や困った行動への対処法、子どもの力を伸ばすための効果的な働きかけなどについて学びます。数回~十数回のセッションで、一般的にはグループで実施されます。
親子通園
児童発達支援センターや児童発達支援事業所の中には、子どもの療育に保護者も同伴して親子遊びや教材などを一緒に行うとともに、子どもの療育と平行して保護者の学習会などを行っているところがあります。療育の専門家の実践を保護者が実地で体験し、家庭での関わりに活用することができます。ただし、一般的に1年間、事業所によっては週複数回の通所が必要なので、保護者やきょうだい児への負担が大きくなります。家庭の実情に合わせ、無理なく続けられるプログラムを選びましょう。
ピアサポート
親の会などで同じ悩みをもつ保護者同士が集まり、お互いの体験を語り合ったり、相談し合ったりします。同じ立場にあるからこそ深く共感し支え合えるというメリットがあり、悩みを打ち明けられる仲間との出会いは精神的なサポートになります。自閉スペクトラム症の親の会としては、一般社団法人 日本自閉症協会の加盟団体が全国の都道府県と政令指定都市にあります。
ペアレント・メンターによる支援
発達障害のある子どもを育てた経験のある保護者が一定の研修を受け、現在、子育てに悩んでいる保護者の相談に乗ったり、自分の経験を語ったり、アドバイスをしたりする取り組みです。各地域の精神保健福祉センターや発達障害者支援センターにお問い合わせください。