私の体験談
生きがい、私の居場所について
「居場所・生きがいについて」
(息子は)二十一歳で統合失調症(当時は精神分裂病)になり、今までとは違った生活を余儀なくされた。
この十二年間に入退院四回、デイケアにもいかず、作業所にもいかず、この先どうしたらよいのか悩みました。家族会に入会し、数々の学習会、医療懇談会にも出席し、学べば学ぶ程、帰りの私は、学んだことと現実の落差に打ちひしがれるような思いでした。学習会で質問する私への回答は「なるようにしかなりません......」
こんなことが何年続いたでしょうか。
私は世間一般の価値観から抜け出て私の、私の息子の、山田家の価値観を作り上げようと、人に笑われてしまうような考え方だっていい!! 自己の確立を改めて考えました。
息子はお使いをよくしてくれます。散歩もします。私と二人プールにもいってます。私はこんな息子を“ひきこもり”と呼びたくないのです。
居場所が見つけれらないのなら、自分の家を居場所にしたらいい!!
働けなくても、日々楽しく暮らせないだろうか。私のこんな問いかけに主治医は「ま、無理でしょう」といわれましたけれど......。
我が家にはサンドバッグ、パチンコなどをおいています。イライラときはサンドバッグを叩き、パチンコでリラックスしています。
先日、私は風邪をひいて動けませんでした。息子の助けてくれたこと。
家族会の会報の原稿を担当者の家まで届けてくれました。
全家連誌を届けて下さった方に対応できました。
お茶碗を洗ってくれました。
私は、これらのひとつひとつのことを宝物と思っています。こうして小さなことを大切にひとつ、ふたつと増やしていきたいです。その先に、いつか皆さんの中に入れるという目標を掲げたいと考えています。
山田偉美子(家族)
※
全家連(全国精神障害者家族会連合会)は2007年4月に解散しましたが、この「私の体験談」では原稿執筆時を考慮してそのままの記載にしております。