自分たちで創り上げてきたバレーボールチーム
『あぶやまワンハーツ』(大阪府高槻市)
4.チーム運営の今後をメンバーの自主性に期待
近畿大会では2回優勝をしたあぶやまワンハーツだが、全国大会の壁は厚く、まだ1勝もできていない。
平井 正さん あぶやまワンハーツ・主将
勝つことにこだわるのか、メンバーと楽しむことに主眼を置くのか。勝つためだけに戦うんやったら主力メンバー中心でいけばいいんやけど、試合には控えのメンバーだって出たいはずです。でも、楽しむことだけにしてしまうと、何のためにきつい練習をこなしているのか、負けてもいいのかということになってしまいます。主力メンバーと控えメンバーの起用はいつもそのジレンマに悩まされています。
一方で、喜多川 ひろしさんは「全国制覇するチームは病院単位ではなく地域単位でチームを編成しているから、強いんです」と全国大会での経験から課題は選手層の厚みにあると分析する。
岡村 武彦氏
確かに強いチームは地域全体から選手を募って組織しているところが多いので選手層の厚みが違います。昨年の全国大会での経験から、全国大会で勝つためにはどうすればよいかをメンバーたちは必死に考えているところでしょう。メンバーが今後、どのようなチーム編成を考え、どのように運営していくのかを見守りたいと思います。もちろん、彼らが望むのなら、地域単位でのチーム編成のために最大限の協力をしますよ。
「メンバー自らが主体的に集まり活動をつくりあげてきたあぶやまワンハーツは成功モデルとしてよいお手本になるのではないかと思っていますし、今後もそうあり続けてほしいと思います」と監督の高谷氏も期待する。近畿大会3連覇、そして全国大会での勝利を目指して、さまざまな思いが交錯するなか、あぶやまワンハーツのメンバーたちは自らの可能性に挑み続ける。
取材後記
10月4日の全国精神障がい者スポーツ大会の近畿ブロック大会において、あぶやまワンハーツは見事優勝に輝き、3連覇を達成、また、11月6日に岡山県で開催された全国大会で初勝利をあげました。また、チームは今後のさらなる飛躍に向けて、地域型クラブ等への移行を含めた新たな展開を模索しはじめたことを付記いたします。