日本一を目指す熱き闘い(後編)
第7回全国精神障がい者バレーボール大会観戦記
6.全国障害者バレーボール大会のこれから
今大会を終え、全国精神障がい者バレーボール大会は1つの節目を迎える。2008年の大分大会から、精神障がい者バレーボール大会は国体の正式種目として開催されることが決まっているからだ。遅ればせながら、身体障害者、知的障害者の全国障害者スポーツ大会にようやく統合されることになった。だが、一方で課題もある。
大西守氏(日本精神保健福祉連盟)
国体の正式種目になることで、これまで以上に県選抜チームあるいは地域クラブ型チームとしての参加資格が問われてくると思います。国体から参加チームに公的補助が下りる以上、単独施設ではなく、地域クラブとしての参加要件はごく当たり前の考え方です。しかし、現状では単独施設の延長線上で参加するチームが少なくなく、これからはそのようなチーム形態での参加は難しくなってくるでしょう。選手もさることながら、チーム運営に携わる方々にその辺の意識改革ができるかがとても重要になってくるのではないでしょうか。
国体の正式種目への昇格をきっかけに、精神障がい者バレーボール大会は1つの大きな転換期を迎えているといってもよい。確かに、単独施設に比べて、地域クラブ型チームはチームのまとまりや練習時間の確保といった点でさまざまな難しさを抱えているのが現実だろう。しかし、今大会で優勝した『龍馬クラブ』は地域クラブとして過去いくたびもの栄冠を手にしていることからもわかるとおり、地域クラブ型チームとしての理想形とその可能性を示しているのもまた事実だ。
国体の正式種目として精神障がい者バレーボール大会がこれからどのように飛躍していくのか。今後の大会チーム参加者や大会関係者の取り組みに期待したい。