回復を促す家族の接し方

病気の段階ごとに対応のポイントをまとめましたので、参考になさってみてください。

統合失調症の回復のためには、ご家族の協力が大きな助けになります。 病気を発症された当初は、ご家族も動揺したり混乱されることがあると思いますが、そんな皆様のために、病気の段階ごとに対応のポイントをまとめましたので、参考になさってみてください。

監修:白石弘巳 先生
埼玉県済生会なでしこメンタルクリニック院長
東洋大学名誉教授

2.回復を促す接し方「10」のコツ

統合失調症の治療にとって家庭環境(家族の接し方)は重要なポイントになります。ご家族は患者さんにとって頼れる大切な存在ですが、接し方によっては本人にストレスを与え、再発のリスクを高めてしまう可能性もあります。本人と適切な距離をとること、治療に適した穏やかな家庭環境をつくることを心がけましょう。

1. 話を最後までよく聞く

話を途中で遮らずじっくりと本人の話に耳を傾ける

話のつじつまが合わなくても、その真意を理解するように努める

うなずきや本人の言葉をくり返して、話を引き出す(なかなか話せない人の場合)

2. 伝えるときははっきりと簡潔に、わかりやすく

あいまいな言い方は避け、はっきりとわかりやすく話す

一度にたくさんのことを言わない

注意するときは、その内容・理由に加え、どうしてほしいかを短く具体的に伝える

3. 子ども扱いしない

「どうせ言ってもわからない」と決めつけない

子ども扱いせず、本人のプライドを尊重する

保護することと自立心を育てることのバランスを考える

4. 対立や言い合いを避ける

本人と一緒に興奮したり、議論したりしない

対立しそうになったら家族が一歩退く

本人の気持ちが落ち着くまであたたかく包むように接する

5. できたことをほめる/感謝する

やったことの良い点をほめ、多少のミスには目をつむる

本人ができる手伝いなどを依頼し、感謝の言葉を言う

感謝と励ましで本人のやる気を引き出す

6. 批判的になり過ぎない

病気のためにできないことを「甘え」や「わがまま」と批判したり、不満や文句を本人にぶつけたりしない

病気と本人を区別し、問題は病気であり、本人ではないことを理解する

7. あせらない/本人のペースを尊重する

回復をあせる気持ちは本人にとって大きなストレスになることを理解する

短期目標と長期目標を立てる

本人のペースで「今できること」を確実に続けさせる

たとえ時間がかかっても本人のやり方とペースを尊重し、手や口を出すことを控える

どうしても助けが必要なときだけ手を貸す

8. 本人ができることは任せる

自分でできることは自分で行うことが大切であると伝える

身の回りのことなど、自分でできることは本人に任せて手を出さない

本人と話し合って、家事や手伝いなど、役割をもたせる

9. 静かで穏やかな家庭の雰囲気を作る

本人が安心して過ごせる家庭環境を整える

本人と近すぎず、遠すぎない距離を保つ

10. 巻き込まれ過ぎない

少しのことで泣いたり、冷静さを失ったり、大げさで情緒的な反応は避ける

甘やかしたり、過保護になったりしない

極端な自己犠牲はしない