第8回 初めて症状に気づいたとき...
回答結果
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今回は「初めて統合失調症の症状に気づいた時のこと」についてお伺いしました(回答者数:48名)。
統合失調症と思える症状を初めて経験したのは、「小学生(高学年)から中学生」「高校生から20歳」「それ以降」がそれぞれ約1/3でした(Q1)。症状に気づいた時に相談した人については、「親」と回答された方が約20%でしたが、「誰にも相談していない」という回答が60%と最も多く、ご自身だけで悩んでおられた方が多いことが推察されます(Q2)。
初めて症状に気づいた際の統合失調症の知識については、「全く知らなかった」が約半数、「名前だけ」が1/3とほとんどの方が知識のない状態でした(Q3)。また、症状に気づいてから医療機関を受診するまでの期間は、「3ヵ月以内」の方が約45%である一方で、「1年以上」かかったという方が約40%いらっしゃいました。これには、病気についての知識がなかったことや、精神科を受診することに対する抵抗感もあってのことと推察されます(Q4)。初めての受診状況については、40%の方が「自分の意思」、50%は「親」または「教師・上司」に勧められて、と回答されていますが、強制入院だったという方もいらっしゃいました(Q5)。
早期に医療機関を受診するために必要だと思うことは、「病気の知識」が77%とトップですが、「医療機関以外で気軽に相談できるところ」「友人・周囲の理解」「学校での教育」「精神科のイメージアップ」についても40%を超える回答がありました(Q6)。
統合失調症においても「早期発見・早期治療」の重要性が言われており、症状に気づいてから治療を開始するまでの期間が短いほうが、効果が高いと報告されています。統合失調症を含め、精神疾患に対する誤解や偏見は非常に大きく、精神科への受診・治療の妨げになっています。精神疾患への正しい理解が進むことで、早期発見・早期治療、そしてよりよい回復につながることを期待しています。
この結果は、ご本人を対象に2011年8月~2012年1月の期間にインターネットを通じて実施されたアンケートによるものです。
上島国利(精神科医師)
昭和大学名誉教授
回答数:48
性別
男性
女性
0
20
40
60
80
100
年齢
19歳以下
20~29歳
30~39歳
40~49歳
50歳以上
0
20
40
60
80
100
Q1:統合失調症の症状と思える症状を初めて経験したのはいつ頃ですか?
1. 小学生(低学年)
2. 小学生(高学年)
3. 中学生
4. 高校生
5. 18~20歳
6. それ以降
0
20
40
60
80
100
Q2-a:症状に気がついたとき、誰かに相談しましたか?
1. 親
2. 兄弟姉妹
3. 学校の先生
4. 友人
5. その他(具体的に)
6. 誰にも相談していない
0
20
40
60
80
100
Q2-b:Q2-aで「その他」と答えた方にお聞きします。具体的にどんな方に相談しましたか?(自由回答)
記入回答
Q3:症状に気がついた当時、統合失調症(または精神分裂病)の知識はどの程度でしたか?
1. 全く知らなかった
2. 名前くらいは知っていた
3. 症状などある程度は知っていた
4. よく知っていた
0
20
40
60
80
100
Q4:症状に気がついてから医療機関を受診するまでの期間はどのくらいでしたか?
1. 1ヵ月以内
2. 2~3ヵ月以内
3. 4~6ヵ月以内
4. 半年~1年以内
5. 1年~2年以内
6. 2年~3年以内
7. それ以上
8. まだ受診していない
0
20
40
60
80
100
Q5-a:初めて受診したときの状況について教えて下さい。
1. 自分の意志で受診した
2. 親の勧めで受診した
3. 教師・上司の勧めで受診した
4. その他(具体的に)
0
20
40
60
80
100
Q5-b:Q5-aで「その他」と答えた方にお聞きします。具体的な状況について教えて下さい。(自由回答)
記入回答
Q6-a:症状に気がついてから、早い時期に医療機関を受診するには、どんなことが必要だと思いますか?(複数回答)
1. 病気の知識
2. 学校での教育
3. 精神科のイメージアップ
4. 医療機関以外で気軽に相談できるところ
5. 友人・周囲の理解
6. その他(具体的に)
0
20
40
60
80
100
Q6-b:Q6-aで「その他」と答えた方にお聞きします。具体的にどんなことが必要だと思いますか?(自由回答)
記入回答