家族の支援ガイド

統合失調症について、家族の方々に知っておいてほしいことをまとめました。

3.受診しよう

「医師に診てもらいたい」と思っても、どこに相談すればよいのかわからないという声が数多く寄せられます。精神科医に相談することが一番の近道なのですが、そのためには精神科病院や精神科クリニックに行けばいいのか、あるいは大学病院や総合病院に行くべきなのか、迷う人がいるかもしれません。 迷ったときは、最寄りの保健所や精神保健福祉センターなどに相談してみましょう。かかりつけの医師に紹介してもらうのもいい方法です。相談窓口は精神科病院や精神科クリニックにももちろんあります。

「受診したらすぐ入院」というイメージを持たれている方がいるかもしれませんが、実際は必ずしも入院治療が必要とは限らず、入院の必要がない場合も少なくありません。何より、患者さんが辛そうに見えたり悩んでいる場合は、そのことをご家族が本当に心配しているとご本人に伝えて、受診するように勧めてみましょう。統合失調症は一日も早く治療を開始したほうが病気の回復が早く、症状も軽くてすみます。まずは専門医に相談しましょう。 また、精神科の病気で通院する場合、医療費の90%までを公費と医療保険で負担する「自立支援医療(精神通院)制度」があります。また、自己負担の上限が決められていて上限額以上は免除されます。経済的な負担により通院や服薬が中断しないような制度です。

クリニック

精神科クリニックあるいはメンタルクリニックと呼ばれ、比較的交通の便のよいところにあります。自由で明るい雰囲気の開放的なところが多く、気軽に利用できます。

日常生活支援のデイケアやデイナイトケアといったサービスを兼ね備えている施設もあり、旅行やスポーツ、レクリエーションなど個々に特徴のあるプログラムを組んでいます。

精神科病院がサテライト施設として開設している場合も多く、入院加療が必要になっても、適切な病院を紹介してくれます。

精神科病院

大学病院やクリニックと比較して、デイケアやレクリエーションなどの設備・スタッフが整っていることが多く、リハビリテーションや、ゆったりしたペースでの療養に向いています。

病棟は急性期・慢性期と病期によって分けられている場合があります。

大学病院・総合病院 多くの診療科を有する大学病院や総合病院の中には、精神科の外来だけでなく、入院施設も完備しているところがあります。成人病や身体損傷を合併する精神疾患の患者さんたちにとっては、他科の専門医も充実しているこうした病院は総合的な治療に適しているといえます。