人間関係に関するQ&A

友だち

回答者:ガンちゃん

友だちや恋人が欲しいというのは、ごくあたりまえのことだと思います。
友だちとは、お互いの価値を認め合い、相手のためにできることをしようという友情によって成り立ちます。恋人とは、お互いに恋しあうという恋愛感情によって成り立ちます。
友だちにしても、恋人にしても、相手を大切に思う気持ちが大事です。でも、私たちは、とかく自分のことをわかってほしい気持ちが先にたって、友だちや恋人がほしいと思ってしまうものです。

まずは、友だちや恋人にわかってもらいたい自分の気持ちを考えてみましょう。そして、統合失調症となり、いろいろな困難がありながらも懸命に歩んでいる自分のことを認めてみてください。このように自分のことを大切する気持ちを育んでいくと、今までは自分のことで精一杯で見えなかった、相手の良いところや素敵なところが見えてくると思います。

さて、皆さんが病気をしたあと没交渉となっていた友だちは、皆さんの連絡を待っていることがあるかもしれません。皆さんが思うほど、友だちは病気のことを「友情の障害」とは考えてはいないのではないでしょうか。
新しい友だちもつくりましょう。趣味を通した友だち、活動を通した友だち、サークルなどに参加して友だちをつくることもできるでしょう。なかなか、最初の一歩を踏み出すのが苦手な人は、市町村の障害福祉の担当窓口や、市町村の委託相談支援事業所にお尋ねください。友だちづくりを一緒に考えてくれると思います。

回答者:ガンちゃん

友人の誘いや訪問を断れないということもよくあることですね。まず、どうして断れないのか考えてみましょう。「せっかく誘ってくれているのに悪いな」「断った後に、嫌われないかな」「どうも、うまく言葉が出てこないな」「タイミングが悪くて」「相手の押しが強くて」など、いろいろな理由があることでしょう。

まずは、自分なりの断り方を決めておきましょう。伝えることとして、誘ってくれたことへの「お礼」、はっきりとした「断り」、断りの「理由」、また誘ってほしいといった「依頼」などを、自分なりに組み込んでみてください。もちろん、次回以後の誘いにも応じない場合は、そのような「依頼」は必要ありません。

例文①「カラオケに誘ってくれてありがとう。でも、今日は行かれないんだよ。前から約束があって映画を見に行くことになっているんだ。よかったら、次回、誘ってくれるとうれしいんだけれど」

例文②「わざわざ家まで来てくれてありがとう。でも、申し訳ないけれど、家のなか汚くて人を上げないことにしているんだ。今度、喫茶店で会うことにしよう」

こんな感じになりますが、断るのが苦手だと思っていると、「断り方があいまい」「断るのが遅すぎる」ということで、かえって、相手に不愉快な思いをさせてしまうこともあります。時期を遅らせず、はっきり伝えることが円滑な人間関係にとって必要です。

誰にでも都合というものがあるものです。断ると相手に悪い気がすると思ってしまうのであれば、断るのではなく自分の都合を伝えると考えてみてはいかがでしょうか。

もし、あなたが相手の急な誘いに対して「今日は都合が悪いんだ」と言って断ったとして、相手がすぐに怒ってしまうような人であるとすれば、この相手と良い友だち関係をつくることは難しいと考えても良いでしょう。

回答者:ガンちゃん

会話が続かないと気まずくなります。会話がうまくいかないと思うと、ますますできなくなってしまうものです。ではなぜ、会話が続かないか考えてみましょう。

統合失調症になったことで、人によっては、他人の視線が気になったり、どうしても否定的にとらえてしまったり、嫌われているのではないかと不安になったり、臨機応変な対応が苦手であったり、ということがあるかもしれません。人と接すること自体に臆病になってしまうこともあるでしょう。皆さんが、会話が続かないときは、①自信が持てない、②人見知りをする、③考えすぎてしまう、③うまく言葉をかえせない、④話題がない、などが考えられます。

反対に、皆さんは、どんな人とは会話が続くのか考えてみましょう。①皆さんの話をよく聴いてくれる人、②笑顔で話を聴いてくれる人、③話を最後まで聴いてくれる人、④タイミングよく相槌をうってくれる人、⑤上手に質問してくれる人、⑥わかりやすく話をしてくれる人、⑦時にほめてくれる人、⑧共通の話題のある人、ではないでしょうか。

ここにヒントがあります。まずは、相手の話を笑顔で最後までよく聴くこと、相手の話に関心を示すこと、相槌をうって質問すること、を心がけてみましょう。

自分の話しをするときは、「私は」を主語にすること、センテンスを短くすること、わかりやすく伝えることを心がけましょう。話をしているうちに、何を話していたのかわからなくなることもよくあることですから。

実は、会話を続けることに悩んでいる人はたくさんいるのです。巷では、「会話を続けるためのマニュアル本」があふれています。自分だけが会話が苦手なんだと思わずに、できる工夫を少しずつ始めてみましょう。

回答者:ガンちゃん

ピアカウンセリングは、ピアサポートの基本的な姿勢のことです。ピアサポートは、同じような環境や悩みといった何らかの共通点を持つピア(仲間)による相互支援活動のことです。ピアカウンセリングは、「私たち当事者のことを最もよくわかっているのは、私たち自身」という考え方を基本にしています。お互いに平等な立場で語り、そして聴くことを言います。

ピアカウンセリングは1970年代初め、アメリカで始まった自立生活運動の中でスタートしました。障害者自身がピアカウンセリングを通して、自己決定権(自分で決める権利)や自己選択権(自分で選択する権利)を育てあい、支えあい、社会参加すること、エンパワメントすることを目指したものです。

ピアカウンセリングは、語ることと、聴くことで成り立っていますが、体験を通した語りと傾聴は、互いのこころを癒すことになります。

ピアカウンセリングは、「私たちは、チャンスを得ることで、ほとんどの日常的な課題を自分の力で解決できる」ということを基本としています。ピアカウンセリングによって、問題を解決するための手助けをします。ピアカウンセリングでは、相手の話にひたすら耳を傾けることと、同じような経験を分かち合うことが大切です。「私も同じようなことがあった」「私も同じように感じた」「私の時は○○だった」と「私」を主語にして「私の経験」を伝えましょう。お互いに話し合ったことは外に漏らさない等の秘密を守ることも大切なことです。

ピアカウンセリングについては、学習会も広がって来ています。まずは、基本的考え方や方法を学ぶことをおすすめします。

詳しくは、市町村の障害福祉担当の窓口、市町村の委託相談支援事業所にお尋ねください。広域の情報については、都道府県の精神保健福祉センターにお尋ねください。

回答者:ガンちゃん

ピアとは、「仲間」「対等」という意味です。ピアサポートとは、同じ体験や悩みをもっている仲間同士の相互支援を意味しています。
精神障害者のピアヘルパーとは、精神障害者による精神障害者のためのホームヘルプサービスです。ピアヘルパーは、法律に基づいた名称ではありません。その経験を開示した精神障害者が、ヘルパーの資格を取得して、当事者のための生活支援を行うことです。

2001年に大阪府で、全国初の養成講座が行われました。「病気のつらさがわかってくれる人に支援してほしい」と声があがり、精神障害者を対象とした「養成講座」が各地で開かれました。また、一般の養成講座を受講して、ヘルパーの資格を取得したうえで、ピアヘルパーとして活躍している人もいます。
主な活動には、家事(調理・料理・買い物・洗濯・掃除・整理整頓など)に関することや、相談(話し相手・相談・助言)に関することがあります。

皆さんのなかには、同じ病気をした仲間にピアヘルパーとして支援してほしい人がいることでしょう。仲間の支援は安心感を育みます。
また、ご自身が、ピアヘルパーになって仲間の支援をしたいと思う人もいることでしょう。自分の体験を生かせる仕事の一つです。
ピアヘルパーも、自分の生活・人生を豊かにするための手立てとなることでしょう。
まずは、市町村の障害福祉担当の窓口、市町村の委託相談支援事業所にお尋ねください。あるいは、広域の情報については、都道府県の精神保健福祉センターにお尋ねください。

回答者:ガンちゃん

北米では、2000年代からジョージア州をはじめ多くの州の多くの機関で、精神障害者が精神保健システムのなかのチームの一員として働く「認定ピアスペシャリスト」という新たな職種が創設されて、精神障害当事者が働くようになっています。

日本でも、札幌市の精神障害者回復者クラブ「すみれ会」が、1980年代に当事者で作業所運営を始めました。東京都墨田区の「こらーるたいとう」、長野市の「地域活動センターポプリ」、千葉市の「地域活動センターそらのまめ」は、精神障害当事者が運営している事業所です。当事者と専門職が協働して運営している事業所には、北海道浦河市の「べてるの家」、那覇市の「ふれあいセンター」等があります。

2001年には、大阪府で、精神障害者ピアヘルパーの養成講座が始まり、全国に展開しました。障害者総合支援法(旧.障害者自立支援法)の相談支援事業では、ピアカウンセリングが明記されています。いわゆる社会的入院者の退院を支援する精神障害者地域移行・地域定着支援事業では、2010(平成22年)年度からピアサポーターによる同行活動経費が予算計上されており、地域移行への足がかりとなっています。制度化はされていませんが、ACT(Assertive Community Treatment:包括的地域生活支援)においても、重要な構成要素として注目されています。

このように、ピアサポートを仕事にして、様々な機関で働ける時代になってきていますが、まだまだ確立した状況にはなっていません。雇用側も、雇用される皆さんも試行錯誤を繰り返しているのが現状です。

このようなピアスペシャリストとして、活躍するためには、採用前、採用時、採用後と研修が必要になります。また、働くためにはいくつかクリアしておくこともでてきます。障害者・利用者でありながら支援者でもあるといった二重関係の課題、様々な葛藤、守秘義務の課題等です。このようなことを雇用者とともに学んでおくことが必要となるでしょう。

ピアサポートの研修、ピアスペシャルストについては、市町村の障害福祉担当課、市町村の委託相談支援事業所、都道府県の精神保健福祉センターにお尋ねください。

回答者:ガンちゃん

そうですか。うまくつきあうというのはどんな感じでしょうね。

「仲良く」「気兼ねなく」「楽しく」「お互いを認め合う」「自然と」といったイメージでしょうか。自分のことばかり主張しては、誰も話を聞いてくれないでしょう。かといって相手を立ててばかりでは、疲れてしまうでしょう。

人と仲良くつきあいたいときは、相手の気持ちと自分の気持ちを考えていることが多いと思います。
たとえ場、今度の日曜日に一緒に買い物に行きたいとき、「来週、洋服を買いに行こうと思うのだけど、一緒に行かない」と気軽に誘えるといいのですが、この時に、「私が誘うと迷惑ではないか」と相手の気持ちを察したり、「断られたら、私も落ち込んでしまうかな」と自分の気持ちを考えたり、さらに、このことがきっかけでお互い気まずくなるのではと先のこと先のことを考えて不安になってしまうことがあります。

相手のことを察したり、先を読むことは大切なことですが、統合失調症になってから、心配したり、不安になることが行き過ぎてはいませんか。実は、皆さん自身も気がついていると思いますが、皆さんが心配するほど、相手の人は、皆さんの心配には気がついていないことが多いと思います。

うまくつきあいたい思いは、皆さん違います。もう少し何とかしたいと思う人は、市町村の障害福祉担当の窓口、市町村の委託相談支援事業所で相談することができます。また、医療機関のデイケア等では、リハビリテーションとして生活技能訓練(SST=Social Skills Training)を使って、人づきあいの練習を行っています。

回答者:ガンちゃん

そうですか。それはお困りですね。近隣トラブルはなかなか解決の糸口がみつからないようですね。このようなことはあちらこちらで起こっているようです。

近所の方が怒っていることの原因が、もし皆さんにも心当たりがあることなら、直接話し合うことや場合によっては謝罪することで理解しあえることもあるでしょう。 皆さんには全く心当たりがないことであれば、区長さんや、民生委員さんに相談してみるのも一つの方法ですね。昔のような、ご意見番、世話役さん、ご隠居さんが居てくれればいいのですが・・。

皆さんにとって、全く心当たりがないときは、その人への対応の仕方について近所の人にも聞いてみましょう。近所の皆さんもご苦労されながら上手に対応されているのかもしれません。そうなると、悪口を言う人は、あなたという個人を恨んでいるということではないことがわかります。その人は、誰でもよいけれど、たまたまあなたを攻撃の対象としていることになります。ですから、そういう場合はなるべくかかわらないことをおすすめします。

皆さんが、悪口を気にして外出もしないのでは、不健康になってしまいます。接触をしたくないのであれば道順も変えましょう。相手の態度はなかなか変えられないでしょうから、自分が少しでも健康的な心持ちでいられるような対応を考えてみることをおすすめします。

ただし、皆さんは、統合失調症となり幻覚妄想状態を体験してきた人もいらっしゃると思います。念のためですが、近隣の悪口が事実として起きているのか、症状と関係しているのかを家族や日ごろ相談している人とも確認しておいてください。症状と関係しているようなときは早めに主治医と相談しておきましょう。

世の中には不条理なことがありますが、自分が健康で活き活き生活することを優先して自分らしい生活スタイルをつくっていきましょう。

結婚

回答者:ガンちゃん

私たちが、日常生活を送るうえで、働きたい、結婚したい、幸せに暮らしたいという気持ちをもつことはごくあたりまえのことです。

恋愛とは、相手のことを大切に思うことと言われています。皆さんが自分に自信がまったく持てないときに出会った人は、とても力強くて、あなたにとっての救世主にみえるのですが、実は相手も同様に自信がなくて、あなたのことを救世主とみています。こんな場合、お互いに助け合って一人前になることを期待しながらも、共倒れになることがよくあります。自分のことを大切に考えて、自分の足で立つことを志していることが、よい恋人と出会えるための秘訣といえます。

自分の足で立つなかで、結婚したいと思ったとき、あなたは、結婚してどんな生活をしたいと思うのでしょうか。単に、相手のことを愛おしく思っているのかもしれませんが、結婚はゴールではありません。あなたが希望する生活の新たなスタートです。お二人でどんな生活をしたいのか一緒に考えてみてください。言うまでもありませんが、結婚することが目的となってしまっては、結婚後のよくある困難ですら乗り越えることができません。

さて、お互いの幸せな生活のために結婚を決めた場合でも、心配なことがいくつかあると思います。たとえば、「経済的に大丈夫だろうか」「病気は悪くならないだろうか」「家族は認めてくれるだろうか」などです。まずは、二人でよく相談してください。そのうえで、二人を理解してくれる人の意見も求めてみましょう。統合失調症とつきあいながら結婚生活を送っている人もたくさんいます。先輩の意見を聞くこともきっと参考になるでしょう。

二人が結婚にむけて協力して、「心配なこと」、「困難なこと」を乗り越えていくことは、お互いを理解するうえでもとても大切なことです。ここで協力してお互いの理解、家族の理解を育むことは、結婚後の生活へのステップとなることでしょう。

回答者:ガンちゃん

結婚して幸せな家庭をつくっていきたい。そして、子どもを産み育てたいと思うのは、自然な気持ちだと思います。

子どもを産み育てるうえで、あらかじめご夫婦でいくつかのことを考えておきましょう。まずは、幸せな家庭ってどんな生活なのか、なぜ子どもを育てたいのか、そして、自分たちはどんな幸せな家庭をつくりたいのか、もう一度考えておきましょう。

そのうえで、妊娠への薬の影響についても知っておきましょう。抗精神病薬の多くは、先天性の奇形に対してある程度のリスクを持っていますが、絶対禁忌でありません。薬の有用性がリスクを上回る場合には投与可能となっています。妊娠を希望される場合は、妊娠期間中の服薬について精神症状の管理も含めて、あらかじめ主治医と相談しておきましょう。

また、親が統合失調症の場合に子どもが統合失調症になる可能性などについても学んでおきましょう。すまいるナビゲーター「統合失調症ABC 1.どのような病気ですか?」を参考にしてみてください。

もう一つ、子どもを育てるうえでの協力者を頼んでおきましょう。夫婦で子どもを育てるのが基本ですが、相談できる人や協力してくれる人がいると安心ですね。子どもは社会の宝ですから遠慮なく協力してもらいましょう。

妊娠してからこのような準備をするのはたいへんです。あらかじめ準備をしておくことをおすすめします。幸せな家庭をつくってください。

回答者:ガンちゃん

家族は結婚をなぜ反対しているのでしょうか。経済的な理由でしょうか。統合失調症や障害が理由なのでしょうか。将来の不安でしょうか。相手への不安でしょうか。いろいろな理由が考えられますね。

ここでいう「家族」が皆さんの身内と仮定しますと、一般的には、「心配」による「反対」ではないでしょうか。と考えると、家族の心配とは何でしょうか。反対されるとこちらも感情的に対応してしまうものです。少し冷静に捉えて、家族は心配してくれているのだと考えてみてはどうでしょうか。そして、家族の心配が安心に変わるための手立てを考えてみましょう。その手立てのひとつは家族に安心してもらうために、結婚相手と二人でコツコツと実績を積むことだと思います。

もうひとつ大切なことは、結婚はゴールではないということです。皆さんが相手の方とどのような生活をしようとしているのかが大切です。お互いに助け合っているつもりでも、実はもたれあっていて共倒れになることがよくあります。二人で愛を育んで、幸せな生活を送ることとはどんなことなのでしょうか。

二人がどんな生活を目指して、そのために今できることは何かを二人でよく相談してみてはいかがでしょうか。二人を理解してくれる人の意見も聞いてみましょう。
そこに、家族の理解を得るためのヒントがあるように思います。

家族

回答者:ガンちゃん

家族といつも衝突してしまうことはよくあることです。なぜ、衝突してしまうのでしょうか。よく考えてみると実は些細なことが多いのではないでしょうか。
 家族内の衝突は、どこの家庭でもあることです。統合失調症になったから衝突すると考える必要はないでしょう。
家族と衝突したとき「わかってくれてもいいのに」「家族なのになんでわかってくれないんだ」と思うことがよくあります。しかし、相手も同じように「なんで家族なのにわからないんだ」と思っているのではないでしょうか。 家族だからわかってくれてもいいのに、と思いながら話をすると、説明不足があったり、自分の気持ちを伝えられなかったりということがよくあります。家族でない人と話をするときは、もう少し丁寧に話をしたり、気持ちを伝えたりしているのではないでしょうか。

家族との衝突は、どこの家庭でも多かれ少なかれ起きています。大人になれば価値観が違うので揉め事があっても不思議ではありません。
しかし、お互いに家庭以外に自分の居場所(たとえば、職場や趣味の時間など)を持っていると少し冷静に考えることができ、間違っていれば謝ったり、丁寧に伝え直したりすることもできます。反対に、いつも、家族と顔を突き合わせていると冷却することもできず、ずっとイライラしてしまうものです。皆さんは家族と離れる場所や時間をもっていますか。

家族との衝突や揉めることは特別なことではありませんが、もう少し丁寧に自分の気持ちを伝えてみてはどうでしょうか。「私は○○な気持ちでいるんだ」など「私は」を主語にして話をすること、なかなか伝えられない家族への感謝の気持ちを伝えることも、円滑な会話のためにも大切です。
また、家庭以外に自分の居場所をつくっておくことも、よりよい関係をつくるうえでの秘訣といえます。

回答者:ガンちゃん

そうですか。よく連絡をしてくれましたね。今、あなたが、暴力を振るわれている、あるいは、振るわれそうな状況にあるならば、次の行動をとりましょう。

あなたの安全を最優先してください。

今すぐ、暴力から逃げて、安全な場所に避難してください。

警察へ110番してください。交番や警察署に駆け込んでください

過去のそのようなことがあって、不安になっている人もいるでしょう。いかなる理由があっても、暴力で物事を解決することは間違っています。皆さんは、統合失調症になったことで、ご家族に迷惑をかけているという思いや、負い目をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ご家族も、皆さんとどのようにおつきあいすればいいのかわからなくなっている場合もあるかもしれません。

しかし、このようなことも、家族が暴力を振るっていいという理由にはなりませんし、皆さんが家族の暴力を我慢することにもあたりません。もちろん、どのような場合でも、皆さんが、暴力を受けたくないことをご自分の言葉で伝えることも大切です。話し合いが必要なことも多いでしょう。ただ、暴力が続いているときは、まずは、逃げましょう。そして、どうすればいいのか相談することから始めてみましょう。市町村の障害担当の窓口や、市町村の委託相談支援事業所をお訪ねください。

回答者:ガンちゃん

統合失調症の急性期は、幻覚や妄想などの症状が現れます。この時期は、薬による治療と、休息と睡眠を十分にとることが大切です。急性期が過ぎると、消耗期(休息期)となります。目立った症状は少なくなりますが、元気がなくうつうつとしたり、意欲が起こらなくなったりします。家のなかでボーとしていたり、ごろごろしていたい時期です。急性期に心と体のエネルギーを使ってしまったことが原因と考えられています。

回復するには薬を飲み続けながら、ゆっくりと休むことが必要です。しかし、ご家族からみると、「病気はよくなったのになんでなまけているんだ」「早く、何か始めないとなまけ癖がついてしまう」などという不安から、ご家族は、「しっかりしなさい」と叱責してしまうのです。
皆さんは当事者ですから、病気をしたことで一番つらいのは皆さん自身です。しかし、ご家族も正しい知識を得るまでは、どうしていいかわからないために不安になっていることがよくあります。まずは、病気のことを、ご家族にも学んでもらいましょう。皆さんから、ご家族に病気の特徴をお伝えいただくこともひとつの方法です。なかなか説明が難しい場合は、「私は、お母さんに、統合失調症のことを少し学んでもらえるとうれしいのだけれど」などと自分の気持ちを伝えてみてはどうでしょうか。

家族が相談できる場所として、通院しているところの主治医、相談員(精神保健福祉士)、市町村の障害福祉の担当窓口、市町村の委託相談支援事業所、精神障がい者の家族会などがあります。 皆さん自身がご家族とのかかわりに悩んでいる場合も、市町村の障害福祉の担当窓口、市町村の委託相談支援事業所にご相談ください。

回答者:ガンちゃん

妹さんのご結婚おめでとうございます。このようにうれしい話題でも、「病気や障害をどのように伝えるといいのかな」と考えてしまうことがあるようです。しかし、伝え方は、みなさんそれぞれの考え方で良いと思います。事実を伝えておいたほうが良いと判断する人もいます。あいまいにしておこうと判断する人もいます。わざわざ細かいことは話さないでおこうと考える人もいます。もちろん、妹さんの夫になるのですから、妹さんの考えも聞いてみるとよいでしょう。妹さんからは、すでにお伝えいただいていることもあると思いますが、いくら義弟になると言っても、他の話題と同様で、なんでもかんでも伝えなければいけないということもありません。

しかし、それらのことを考えたうえでも、きちんと話しておいたほうが良いと判断された場合、その理由を整理しておきましょう。「誠実に対応したい」「話しておくと居心地が良い」「気兼ねしないですむ」「あまり隠し事はしたくない」「うまくつきあいたい」「妹に負担をかけたくない」「ある程度理解してほしい」「誤解されたくない」などでしょうか。
話しをする内容としては、そのように話しておきたいと判断した理由と、病気に関する事実関係を伝えることがよいかと思います。たとえば、「あなたとは今後も末永くつきあっていきたいし、心配をかけたくないので伝えておくけれど、僕は統合失調症という病気を持っている。このため、いくつか不自由なことがある。ちょっと心配性だったり、一度にいろんなことをするのが苦手だったり、疲れやすかったりするんだ。今は、リハビリテーションをしていて、また、仕事に復帰したいと思っている。まあ、日常生活は支障がないので気兼ねはしないでほしい」などでしょうか。

いずれにしても、このような場面に限らず、自分の病気や障害について伝えることができるようにしておくことは、あなたを理解してくれる人を増やす一つの手立てとなるでしょう。

回答者:ガンちゃん

このような質問をご本人からもご家族からよく受けます。皆さんは、どんなことが心配ですか。

「住むところ」「お金のこと」「通院や服薬のこと」「食事や料理のこと」「買い物のこと」「洗濯や掃除のこと」「洋服のこと」「近所づきあいのこと」「料金の支払いのこと」「寂しいこと」などでしょうか。よく、皆さんが健康に生活していくためには、衣食住をもじって医(衣)・職(食)・住(暮らし)・仲間が大切だと言いますが、本当ですね。

皆さんが、現在、ご家族のサポートを受けているとすると、将来、自分ひとりでできるかどうか不安なのだと思います。今のうちに無理のない程度で、身につけておくといいですね。たとえば、家族の中で役割をもらって、毎日の夕食のご飯を炊く人、皿洗いをする人などがいます。月に1回、家族に料理を教わっている人、自分の身の回りのこととして、洗濯や掃除は自分で行っている人などもいます。できるようにしておきたいことがありますか。

また、ご家族が元気なうちから、自立を目指したいという人は、一人でアパート暮らしを始めたり、障害者総合支援法(旧.障害者自立支援法)の宿泊型の自立訓練、共同生活援助(グループホーム)を利用したりする人などもいます。
でも、今は、そこまでの元気が出ないという人もいることでしょう。まずは、「家族以外に相談できる人をつくっておくこと」をお勧めします。皆さんのことを理解していただいておくと、困ったときの協力者になってくれると思います。協力してくれる人をもつことは安心なことです。

一人で暮らすことになっても、苦手なことはサポートしてもらいましょう。「住むところ」、「お金のこと」、「日常生活のこと」など心配なことは相談をして、福祉制度や福祉サービス、医療サービス(訪問看護)、民間の食事の宅配サービスなどを利用についても検討しましょう。一人で暮らしながら、自分らしく生活をしていくことは十分可能なことです。あまり、心配しすぎないことだと思います。

ご相談は、市町村の障害福祉担当の窓口、市町村の委託相談支援事業所をお尋ねください。